立喰師列伝を見た

少なくとも絶賛するような類の映画ではない。
とはいえ、面白くなかったわけでもない。
あくまで実験作的なものであり、押井守の名前とその作風についての情報がある程度インストールされている人が見に行く映画であると思う。
映像の色彩とかテクスチャーとかは好きデス。
映像の手法についても面白いし効果的ではあると思うが、普通の実写や普通のアニメーションに比してエンターテインメント足り得たか、あるいは文学的足り得たか、という点においては、少なくとも個人的には好評価はしづらい。この映画だからこそ可能であった手法であったろうとは思う。しかし、ならば、もうちょっとコミカルというかジョーク的な要素を強くした方が良かった気はする(それだと、ミニパトと同じモノでしかないか)。
しかしこの映画は、押井にしてはめずらしく(と言えるほどぼくは押井作品を見ていないのだが)パロディに溢れている。いくつか結構笑えるところがあった。途中でパロディというか、大学時代の庵野秀明の自主制作特撮映画の「ウルトラマン(帰ってきたウルトラマン?)」がモロ流れてたのは笑った。
ちなみに、今回見に行った動機のひとつに滝本竜彦佐藤友哉乙一が出演しているらしいのでそれを見てみよう、というのがありまして。で、それらしい三人は確かにいましたw
ホントちょい役でしたけどね。滝本氏がバットを振ってる意味とか全然分からないし(笑)
クレジット見て知りましたけど冲方丁も出てたんですね。
しかし、ラノベ作家とはどういう繋がりで出演に至ったんだろう? あんま押井守ライトノベルには共通項が見つからないんだけど。押井マニアじゃないから知らないだけなのだろうか。
それはそうと、敷居の高い映画であることは疑い得ないだろう映画でした。
あと、山寺さん、長々とナレーションとかお疲れ様でした。
結論的には1800円払って見に行く映画ではない気がします。前売り券か、モーニングショウ、あるいはレイトショウなどの安い時に見に行く映画です。