スラムオンラインを呼んだ。

スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))

スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))

以前ALL YOU NEED IS KILLを読んで良かったので、また桜坂洋の本を読もうという気になったので何を読もうか、ということで、選択肢はふたつしかなかったわけですが「よくわかる現代魔法」には手がいまいち伸びなかったのでスラムオンラインにしましたとさ。
んで、感想。
良かったデス。ALL YOU NEED IS KILL 程ではなかったにしろ。
我々の世代のリアルが上手く書かれていますしね(まあ桜坂氏自身はわれわれの世代より一世代くらい上ですが)。
僕自身は格闘ゲームは、あまり得意ではないので(コマンド入力が出来ない!)例えば「キャンセル技」とかの実感的体感的な感覚は分からないのですが、まあオタクの端くれですしなんとなく分かるのでそこら辺も変な拒否反応は出ずに読めました。
ところで「時間というリソースは人間にとって有限である。」(48頁)から始まる、ネトゲー廃人になった友人の件もリアルだ。廃人になった友人の話だけでなく54頁まで、ネトゲをやっていないぼくでも苦笑しながら一方でシリアスに文字を読み進めるところだった。オタクなら身につまされる文章だ。
ところで、まあなんていうか結論としては「青春小説」だったなあ、という感じである。
オンラインゲームに没頭する話にしても、ヒロインとの色恋沙汰にしても、小説全体に漂う空気感も。
全部が青春小説だと思いました。いい青春小説ですよ。


そんなカンジで、個人的にはいい小説だったと思います。